現場レポート

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そうなんです。これも先輩たちが長年にわたって信頼を積み上げてきた結果だと思います。私も、これが4回目の現場になります。
今回は、敷地内に既存の建物が二つあって、まずその一つを解体して鉄骨6階建ての介護老人保健施設を建設します。その建物が完成した後に、もう一つの建物を解体して駐車場にするという段取りになっています。解体する建物のすぐ横に立つ建物で、入所者様が生活していますから、安全第一で、騒音やホコリなどで迷惑をかけないように気を使いながら工事を進めていきました。
建物を敷地いっぱいに建てるため、クレーン車などを置くスペースをどうやって確保するのかが、一番の課題でした。まず基礎工事では、普通は一気に基礎を作りますが、作業通路を確保するために、2つの工区に分けました。はじめに奥の工区にコンクリートを流し込んで基礎を作ります。それが固まったら、その上に鉄板を敷いて生コン車を置き、もう片方の基礎工事を行うという段取りを取りました。
次に、鉄骨を建てる工程に入るのですが、この段取りが一番苦労しました。まず工区を7つに分けて、クレーン車を図の(1)の場所に置いて1〜3工区を行い、それが終わったらクレーン車を(2)の位置に下げて4〜6工区を行い、最後にクレーン車を敷地外の(3)の位置に出して7工区を行うように段取りを組みました。図面上でクレーンの回転半径などを計算しながら、クレーン車を置く位置を何度もシミュレーションして、作業の段取りを決めていったんです。最後の7工区目のクレーンの位置は、少し道路に出る状態になるのですが、鉄骨屋さんやクレーンの操縦者たちと事前に何度も話し合って、綿密に準備をしたことで、大きなトラブルもなく、工事を進めていくことができました。
旧建物との隙間が20センチくらいしか空いていませんので、足場を組むことができません。そこで、普通なら壁を作った後に仕上げをするのですが、工場であらかじめ仕上げ面にタイルを張ってもらった壁面材を現地で組み立てて、旧建物を解体した後に仕上げをすることにしました。

何と言っても、安全第一です。周囲3方向を道路に囲まれた場所ですから、上からモノが落ちたり、ホコリが舞わないようにシートで覆うなど、細心の注意を払いました。そして、道路沿いにはガードマンが立って、クルマや歩行者が安全に通れるように指示を出していましたが、時間がある時は私も作業車の出入り口付近に立って、近隣の人に声をかけてコミュニケーションを取るように心がけました。そのおかげで、事故もクレームも無く、無事に工事を進めることができました。

竣工まであと2ヶ月工事が続くので、これからも安全第一で、作業を進めていきます。また、その後も、旧建物の解体と駐車場の建設と続きますから、ホッとする暇はありません。
でも、建物が完成した時は嬉しいですね。一つ一つの建物が、自分にとって財産みたいなものです。一つひとつ積み重ねていって、施主様から「杉本さん、次の工事もまた頼むよ」と言っていただけるようになりたいですね。
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