現場レポート

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かなり規模の大きな住宅であること。そして、暮らしの中心にある吹き抜けの居間、趣向を凝らした水盤のある庭の上に渡り廊下を造ってつながる離れの和室、夜空を眺められるロフトのある子供部屋など、施主の希望を柔軟に受け止めた設計と、ていねいな施工によって、気品ある住宅に仕上がったことが評価されました。
今回は、初めてのことばかりでした。たとえば、吹き抜けから上がる階段は、段板がガラスになっており、しかも下から支えるものがない構造になっています。だから、横のコンクリート壁にアンカーを付けて取り付けたのですが、強度を確保する事とわずかなズレも許されない精度を実現する事に気を使いました。また、小学校低学年のお子さんがいるので、靴下やスリッパを履いて上り下りする時でもすべらないようにノンスリップ加工を施しています。さらに、片側だけに取り付けたフラットバーの手すりには苦労しました。枠の中にガラスをはめ込んだり、斜めに補強材を入れれば強度が高まるのですが、意匠の関係で枠だけで支えなければならなかったんです。図面に描かれた絵は理解できるけど、はたして本当にできるのかと、最初は不安でした。現場の職人さんと何度も何度も確認を取りながら作業を進めて、きれいに仕上がり良く取り付けてもらえた時は、ホッとしましたね。
水盤とその周辺は直線が多いので、少しでもゆがんだり、ズレると目立ってしまい、気になるんですよ。四隅がきちんと直角になり、枠の高さが同じになるように気を使いました。また、水盤の御影石を止める素材をゴツイものにしたくないという設計者の意向があって、薄い鉄板を升のように組んで、水盤からあふれた水がその下を流れる構造になっているので、その仕上がりの美しさにもこだわりました。その他、水盤の底には那智黒の石を敷くなど、とにかくこの部分は凝った作りになっているんですよ。大変でしたが、普段やったことのないことばかりで、いい経験になりました。
私の部署に、今年女性の新入社員が入ってきたんです。私とちょうど10歳違うんですよ。私が入社した時には女性の施工監督がいなかったのですが、彼女は私を見て、自分が仕事をしている将来像をイメージをすると思うんです。「10年後の自分はこうなっているのかな」と。だからこそ、彼女の目標にふさわしい存在になれるように、もっともっとしっかりしなきゃ……って思っています。今回の仕事をして感じたのですが、建築の仕事って、建物を建てることだけを知っているだけでは不十分なんですね。たとえば、電気や設備の知識も必要になってきます。最近ではインターネットにアクセスするための光ファイバーの配線も、図面を見ながら打ち合わせしなければいけません。もちろん建築の技術も日々進化していきます。「建築に関することなら何でもわかる」と、胸を張って言えるようになりたいですね。
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